11月25日号

門野純也(かどの・じゅんや)・裕司(ゆうじ)
兄弟とも彦根市生まれ。共に3歳からカロムを始める。現在、兄・純也さんは長浜バイオ大学4回生。弟・裕司さんは大原簿記法律専門学校2年生。
「ツアー参戦へ日々打ち込み」 
−カロムプレーヤー 門野純也(21)・裕司(19)さん

彦根に伝わる「カロム」。純也さん(右)、祐司さんはその普及にも努める
 おはじきとビリヤードを組み合わせたような卓上ゲーム「カロム」の全日本チャンピオンである。今年6月に彦根市で開かれた全日本カロム選手権ダブルスで兄弟ペアが2連覇。シングルスでも兄の純也さんが優勝、弟の裕司さんが2位に入るワンツーフィニッシュ。目下、向かうところ敵なしの、カロム兄弟である。

 大会参加者は約400人。うち滋賀県勢が7割、さらに彦根市在住者が8割近くを占める。「全日本といっても彦根周辺だけのマイナー競技。もっとビッグな競技にして真の日本チャンピオンになりたいですね」と兄弟ははにかむ。エジプトで生まれ、日本には明治末期に宣教師が伝えたというカロムだが、昭和30年代に一時ブームになりかけたが衰退。なぜか彦根地域にだけ残っている不思議な競技だ。「伝統工芸の彦根仏壇の職人さんが一時カロム台作りに取り組んだためとも聞いています」と純也さんはいう。

 「幼いころから家庭にカロム台があり家族や親戚が集まると遊んでいた」という環境で育ち、小学生時代から兄弟でダブルス優勝を重ねてきた。家族は両親と祖母の5人暮らし。2人とも学生になったがカロムは今も暮らしの中にある。

 62センチ四方の木製の台上に直径約3・1センチ、厚さ1センチのパックを並べ交互に指で弾いて同じ色のパックを4隅のポケットに入れていき、最後に王様を落とした方が勝ち。誰でもすぐ覚えられ5分程度で勝負がつくシンプルな競技だが「やり始めると奧が深く集中力や戦略、駆け引きなどが面白くて考える力も養える」と兄弟は口をそろえる。 兄弟に同席した母親と途中に帰宅した父親を交えた会話が自然体でざっくばらん。カロムが家族の自然なコミュニケーションを育んできたのだろうか。垣間見た兄弟、親子の対話が素直で、ほほ笑ましい。

 2人とも来春は社会人になるが「もちろん、カロムは続けます。短時間で気軽に楽しめるので、家庭でももっと広がってほしいし、シニア世代のゲームにもぴったりです」。

 ソフトで気負いのない、さわやかな兄弟である。

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