11月4日号

窪田陽介(くぼた・ようすけ)
野洲市生まれ。2003年石部高校卒業。2005年7月に競輪選手としてプロデビュー。A級3班に所属。湖南市石部町在住。
「がむしゃらにバンクに挑む」 −競輪選手・窪田陽介さん(21)

ハードなダッシュ練習を繰り返す窪田選手(大津びわこ競輪場)
 高校を卒業したら何をしようか、と思いあぐねていた。とくにやりたい仕事も思いつかない。そんな折、アイススケートの清水宏保選手が競輪選手と一緒にトレーニングしているドキュメンタリーをテレビで見た。「そうか、こんな仕事もあるんだ」−。それまで野球一筋だった窪田さんの視野に、スポーツとしての競輪が入った瞬間だ。2004年の春、静岡県・修善寺にある競輪学校に入学する。

 「入学試験は自転車の1000メートル走。タイムは1分10秒6でした」。同期生75人とともに1年間の寮生活を送り、翌年7月に三重県・松阪競輪場でデビューを果たす。「初戦は緊張しました。なにがなにやら分からないまま走って…」結果は8着。ほぼ1カ月後、大垣競輪場で初勝利を挙げた。

 順風満帆ではなかった。1年目はわずかに2勝。「ペース配分も考えず、がむしゃらに走るだけでしたから。結果を残している同期生もいて、自分はなぜ勝てないのかと悩みました」と述懐する。だが「挫折するタイプじゃない」と自分でも認める明るく前向きな性格から、徐々に戦績を上げていく。今年は早くも2けた勝利を挙げ、勝率も40%を上回っている。競走得点で決まるランキングでも中位に着け、獲得賞金は500万円を突破した。

 身長は182センチあるが、体重は78キロとスリムな体型。だが、59センチある太ももの筋肉は盛り上がり、日ごろの精進を示している。「脚力が上がってきた」と自分でも思う。早くS級に入り、一流選手の仲間入りをしたい。競輪の最高峰である高松宮杯にも3、4年後には出場したいし、1億円以上稼げる選手にもなりたい。「常に野心を抱いて自分を向上させたい」と言い切る笑顔がすがすがしい。

 「いまは恋人はいません。競輪一筋」というが「競輪ファンの女性が増えたらいいな。そうしたらもっと張り切るもの」と本音もチラリ。休日はもっぱら練習で「150キロ走る日もあるし、ダッシュ練習を繰り返す日も。練習メニューを考えるのも楽しい」そうだ。まだまだ躍進しそうな、さわやかなバンクのホープである。

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