10月28日号

加納正子(かのう・まさこ)
日野町生まれ。京都造形芸術大卒後、2004年5月からびわ湖ホール嘱託員。オペラ公演の舞台監督助手として小道具などを担当。
「舞台監督助手に充足感」 −びわ湖ホール舞台技術課 加納正子さん(24)

舞台袖での加納さん。公演を支えるスタッフとして充実の日々を送る
 「大学は映像舞台芸術学科だったので、授業でやる芝居では舞台美術監督なんかやっていたけど、ここで仕事をさせてもらうまで、オペラを見たことはなかった」という加納さん。

 「スタッフも音大出の人が多く、場違いな感じがして不安でしたが、子どものころに10年ほどピアノをやっていたから、何とか楽譜を読めるのが役に立った。助かりました」

 舞台監督助手として、ホールの目玉事業であるオペラを担当して3年目。これまでかかわってきた公演は8回。小道具の製作や、衣装合わせなどが担当だ。舞台稽古が始まれば、楽屋で楽譜を確かめながら出演者の出番に合わせてメークや衣装の着替えなどをチェックする。

 「最終リハーサルで、メークの時間が押してしまって出演時間に間に合わなかったり、靴を一足発注するのを忘れていたり、冷や汗をかく失敗はいろいろ。でも、公演を重ねるにつれて少しずつ自信もついてきたし、オペラの魅力に引き込まれています。進行の仕事や、大道具作りもやってみたいけど、お金をもらってやれることといえば今の仕事かな」

 もともと「木材で物を作るのが好き」で、大学を卒業してから職安で家具工房のようなところで働く仕事を探していたが、係りの人に「びわ湖ホール」が舞台制作のスタッフを募集していることを紹介されて応募した。家具職人として「強いもの、しっかりした指物を作りたい」という夢は捨てきれないが、今しばらくは封印ということらしい。

 「学生時代に漠然と考えていたものと違って、オペラは面白い。無事に公演が終わればセットも全部ばらして、一気にゼロになって何もなくなる。寂しい半面、すっきりする。なんともいえない充足感。それが仕事に慣れるほどに強く感じるようになるんです。ちょっと、やめられないかな」

 12月には、同ホール青少年シリーズの「ヘンゼルとグレーテル」の公演がある。加納さんは、その資料作成や倉庫の整理などの準備を整えてスタンバイしている。

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