9月16日号

端山梨奈(はやま・りな)
神奈川県茅ケ崎市生まれ。父の転勤で大津市に移る。石山高校音楽科、大阪音楽大を卒業。京都市立芸術大大学院音楽研究科2回生。大津市在住。
「プリマの舞台へ研鑽の日々」 −オペラ歌手をめざす 端山梨奈さん(25)

「Vocal Concert」(2004年1月11日、神戸市・マリーホール)での端山さん
 「モーツァルトが好きです。演じてみたいのは『フィガロの結婚』のスザンナ。若々しく明るく、フットワークの軽やかな役、小間使いや田舎娘の役が好きだし、演技も含めて自信があるの。わたし、喜劇に向いていると思うんです」−。

 ソプラノの中でも最も高い音域で、技巧的で華やかな旋律を歌うコロラトゥーラが、端山さんのポジションだ。小鳥のさえずりにも似て、高く美しい声を振るわせ、転がすように歌うあのパートである。

 4歳でピアノを始め、県立石山高校音楽科に進学した端山さんは、教師の助言でピアノから声楽に転向した。大阪音大で溝口眞知子さんに師事。この出会いが大きかったという。「発声を基礎から学びましたし、クラシック音楽の本当の魅力にも気付かせてもらいました。オペラ歌手を目指そうと決心したのも先生の影響です」−。

 幼いころから歌うのが好き、演じるのが好きだった。だが、好きで歌うだけならカラオケと同じ。そこから一歩突き抜けないとアマチュアで終わってしまう。「頭と心がばらばらになって苦しんだ時期もある」が、いまは「心を込めて、愛情を込めて歌うものが商品になるという自覚を持ったプロの歌手に−」と言い切る強さを身に付けた。連日の練習のほか、友人とカフェなどでミニコンサートを重ねるなど研鑽の日々を送っている。

 来春には大学院を修了する。「先はまだ見えません。びわ湖ホールの声楽アンサンブルに入れたらいいな。オーディションにも応募してみたい。もっと実力をつけて留学もしたい。ウィーンなんかあこがれですね」「厳しい世界だし、安定した生活は難しいと思います。でも、自分で稼ぐ自立した女性として生きていきたい」−。大好きなナタリー・デセイに自分を重ね合わせて夢を語る端山さんだ。可憐(かれん)な容姿、天性の美声、ちょっとコケットな身振り。端山さんのスザンナはきっと魅力的だろう。本格的なオペラのステージはまだ遠いが、この秋も、京大時計台ホールなどいくつかの舞台が未来のプリマを待っている。

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