9月2日号

高野隆自(たかの・りゅうじ)
1983年生まれ。趣味は「モノ作り」と言ってはばからないが、休日にはサーフィンやウエークボードを楽しむスポーツマン。竜王町出身。
「モノ作り 洋菓子に夢膨らむ」 −パティシエ 高野隆自さん(24)

チョコレート専門店「ショコラトリー」で腕を磨く高野さん
 厚さ約10センチの大理石の台の上に、温度50度のダークチョコレートを伸ばし、スケッパーとパレットナイフで均一化するよう何度も薄く広げる。チョコレート作りの基本「テンパリング」というんだそうだ。台の上で冷やしながら温度を27、8度まで下げ、その後31、2度まで温度を再び上げ保つ。

 「冷たくなりすぎても、温かすぎてもだめなんですよ」。根気のいる手作業を休めることなく語る高野さん。

 小さいころから日曜大工が趣味の父親の影響で、モノを作ることが好きだった。手は器用。クギを打ったり、板の端切れでハコを作ったり…。「いま思うと、何を作るとかじゃなく、形になれば、当時は何でも良かったような気がしますね」と、日焼けした顔をほころばす。

 漠然と抱いていたモノ作りへのこだわりから、高校を出ると、地元で古参の和洋菓子製造販売「たねや」に入社。八日市工房、守山バームクーヘン工場などを経て、現在は今年5月に開いたチョコレートショップ「ショコラトリー」の商品開発を含めた製造部門を担当する。

 この間、入社2年目に、菓子業界で権威があるというジャパンケーキショー東京のジュニア部門で連合会会長賞、次いで3年目に同ケーキショーの小型工芸菓子部門で金賞を受賞する。作品は最初の賞では、アーモンドと砂糖を材料にケーキを飾る人形を、金賞では砂糖を素材に細工したチョウをそれぞれ出品した。人形は「上司の結婚式をイメージした」そうだ。

 業界誌に作品が紹介され「受賞はメチャメチャうれしかった。モノ作りの楽しさを味わったし、洋菓子作りへの自信にもつながった」と相好を崩す。

 入社して5年。「いまは好きなことをやらせてもらい、毎日が楽しい」と高野さん。将来については「勉強を重ねて、自分の考えるお菓子、世の中にない、新しいモノを作ってお客さんに提供したい」と若い夢を膨らます。

 暇があれば、京都の洋菓子屋をのぞき、ケーキやチョコレートを口に運ぶ。本場のフランスなどでは豆の産地や店を回り、味を確かめる。「おかげでちょっぴり太り気味」と苦笑しながら夢の実現へ、今日も「チョコレート作り」に汗を流す。

滋賀新聞TOP京都新聞TOP