2月24日号
観光楽し ガラス館、盆梅、曳山… JR北陸線「長浜」

鉄道スクエアとして保存されている初代駅舎をモデルにした新しい長浜駅
 長浜が豊臣秀吉ゆかりの由緒ある町であるように、長浜駅の歴史も古く、県内の諸駅の中でも際立って特色に富んでいる。

 初代駅舎の開業は1882(明治15)年だ。この時、線路は北へ向かっては一部トンネル部分を除き敦賀まで開通していたが、逆の南方面は、長浜−大津間に線路がなく、琵琶湖に太湖汽船を運航することでカバーされていた。

 したがって当時の駅舎は現在の駅より約200メートル南の長浜港近くにあった。連絡船が終わりを告げたのは1889(明治22)年。現在地に2代目駅舎が開業したのは1903(明治36)年だった。

 以後、駅舎は時代に合わせて建て替えられ、昨年10月にバリアフリーの橋上駅になった現駅舎が5代目となる。その現駅舎は初代駅舎の外観を模して建てられたが、初代駅舎そのものも当時のままに保存されていることは、鉄道ファンの間で有名だ。

 1日平均の乗降客は約1万人。「これまで体の不自由な方にご迷惑をおかけしていましたが、エレベーターとエスカレーターが設置されましたので…」と新駅舎で仕事にいそしむのは同駅の福田達巳係長。

 2階の観光案内所で応対に忙しい石地喜代美さんも「階段を上がり下りするしかなかった旧駅は、お年寄りの観光客にはお気の毒でした。それも解消され、この案内所も窓から市内の観光スポットを見渡して説明できるので、喜んでもらっています」と忙しそう。

 案内所の窓から、歴史資料館でもある長浜城などの位置を確認してから、駅の東口に降り立つと、出迎えてくれるのは「秀吉・三成出逢いの像」=写真下=。秀吉が鷹狩りの時に立ち寄った寺で寺小姓の三成の機知に満ちたもてなしを受け、召し抱えるきっかけになったという逸話に基づく。

 駅前通りを東へたどり、北国街道を左折すると「黒壁スクエア」。黒壁銀行と呼ばれてきた明治期の建物が「黒壁ガラス館」の名で3万点以上のガラス製品を展示販売しており、スクエアの中心になっている。


 長浜駅の東側の古い町並みは碁盤の目になっていて歩きやすい。観光スポットも、ほとんどが楽しい散策の範囲内にある。伏見城の遺構を移したとされる本堂のある大通寺は、狩野(かのう)派のふすま絵など桃山文化の宝庫だ。4月の長浜曳山(ひきやま)まつりと子供歌舞伎で知られる長浜八幡宮も遠くはない。

 観光案内所でもらった地図を手に歩いていたからだろうか、京都から来たという年配の女性に「盆梅展へ行きたいのですが」と声をかけられ、一緒に訪ねることに。

 会場の慶雲館は長浜駅の南の踏切を西に渡ったところで、向かい側が初代長浜駅を中心にした鉄道スクエアだった。

 今年は3月11日までという盆梅展。会場は色とりどりに咲き匂う梅の清楚(そ)な香りに満たされていた。

長浜鉄道スクエア(長浜市北船町)

 明治15年に完成した初代の長浜駅舎と、併設の長浜鉄道文化館、北陸線電化記念館から成る。

 初代駅舎は新橋駅舎を手本に建てられた日本で現存する最古の駅舎とされ、日本最初の鉄道記念物。レンガの窓枠や2基の煙突など英国風の趣が濃い。駅舎の西に連絡船が接岸した。鉄道文化館にはレール延長66メートルの鉄道模型や明治の時刻表など、興味深い資料が展示されている。人気は北陸線電化記念館に並べられた実物のD51形蒸気機関車と交流電気機関車。入館料は大人300円、小・中学生100円。電話:0749(63)4091

滋賀新聞TOP京都新聞TOP