2月24日号

八段悠子(はったん・ゆうこ)
1981年生まれ。京都市立芸大では音楽学部長賞を受賞して卒業。第21回日本管打楽器コンクール1位・特別賞。守山市在住。
「クラリネットの音色に感動」 −クラリネット奏者 八段悠子さん(25)

大阪・いずみホールでの合同演奏会でクラリネットを吹く八段さん
 3年前、日本管打楽器コンクールのクラリネット部門で1位になった。各部門の優勝者が出場する演奏会でも特別賞を受け、東京都知事賞、文部科学大臣賞も併せて受賞した。やわらかな笑顔が魅力的な音楽界のホープである。

 「姉が中学の吹奏楽部で吹いていたので、ちょっと吹かせてもらって…」というのが、クラリネットとの出合い。守山中吹奏楽部で基礎を学び、石山高音楽科を経て京都市立芸術大に学んだ。在学時から京響や関西フィルなどの公演にピンチヒッターとして呼ばれるなど、その実力は高く評価されている。だが「オーケストラの正式メンバーになる」という夢の実現はなかなか難しいらしい。

 オーケストラのクラリネット奏者は通常2人。欠員が出ないと募集はなく、オーディションには全国から希望者が殺到する。採用枠はたいてい1人。それなりに実績を残してきた八段さんにとっても狭い門なのだ。だが「30歳までにはなんとか…。それまでは結婚なんかも考えられない」と、明るく屈託なげに笑う。

 オーケストラから呼ばれると、演奏曲目を聞いてCDと楽譜を買いに走る。公演当日までわずか5日程度というのが通例だ。「練習は大変ですが、舞台のすぐ隣でプロのクラリネット演奏を聴ける喜びが大きいですね。きれいな音色に感動し、プロってすごいと思うこともしばしば。ファースト奏者に合わせるセカンドとしての私の役割の楽しさもわかってきました。自分の音でオケの音が変わってしまうという自覚も」

 「もう少し余裕をもって、一曲一曲に自分の思いを込められるように」という八段さんの好きな曲は、モーツァルトの「クラリネット・コンチェルト」。ワイマールで開かれたフランツ・リスト音大の夏季講習でもこの曲を吹いた。「初めてオーケストラをバックに演奏して、とても気持ちがよかった」と、また笑顔。この1月にはびわ湖ホール小ホールでサクソホンの千葉雅世さんとジョイントコンサートを開いた。「少人数でのアンサンブルもやっていきたい」と意欲的な八段さん。活躍の場はどんどん開けていくに違いない。

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