2月17日号

高田学(たかだ・まなぶ)
1978年、栗東市生まれ。京都市立銅駝美術工芸高、成安造形大で日本画を学んだ。日本画家協会会員。創画会会友。栗東市在住。
「造形表現結ぶ湖国の風景」 −日本画家 高田学さん(28)

「美術工芸新鋭選抜展」への出品作に取り組む高田さん
 生まれ育った湖国の風物をテーマに、力強いタッチで造形美を追い求める創画会会友の気鋭の日本画家である。

 60年の歴史を誇る創画会の展覧会(創画展)は、春秋2回開かれるが、初出品・初入選したのが成安造形大の4回生の時。草津市の琵琶湖岸、烏丸半島のヨシをテーマにした150号の大作だった。

 以後、春秋2回の創画展で毎回入選し、春季展賞や奨励賞にも輝き、会友の肩書きも得た。その他、京展(入選、市長賞)をはじめ多くの展覧会で賞を得ている。

 「風に揺れるヨシが好き」で、当初はヨシをテーマとする作品が多かった。それがヨシの隣にあるハスの葉の迫力にひかれてハスになり、金勝(こんぜ)山の風物へと変わったが、いずれも自宅から遠くない湖国の自然が対象である。「旅行先などで美しい光景を見ても、まだ自分の中では絵にならない」という。

 見慣れている湖国の風景だからこそ、醸し出されるものを感じ取り、造形表現へと結びついていく。根底には「何回でも行け、スケッチができる」との強い思いがある。

 「スケッチをたくさんせよ。リアリティーのあるものを描け」という高校時代から8年間指導を受けた西久松吉雄・成安造形大教授の言葉を大切にし、作風にもそれが如実に反映されている。

 華やかさより古色な感じを好み、作品には箔(はく)も使う。たとえば金勝山に取材した「残照」は、枯れ行く古木と、周囲に芽生える若木を力強く描き、生命のサイクルをイメージさせる作品として評価を得た。

 「華やかさの中にも寂しさを感じる」という長谷川等伯が好きで、その障壁画のある京都・智積院によく通う。母校の成安造形大など2校で非常勤講師を務め、カルチャー教室でも教える。

 兼業農家の長男だけに農業の手伝いもするといい、「春秋の展覧会期が農繁期だけにつらい時もあります」と笑った。

 「年間、合わせて1000号分の作品を描け」という西久松教授の教え通り、日々、スケッチと制作に余念がない。「いろんな場所で作品を発表し、一人でも多くの人に私の受けた感動を共感してもらえたら…」と、控えめながら力強く抱負を語った。

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