2月3日号

小出まゆみ(こいで・まゆみ)
京都市生まれ、小学4年生まで京都で過ごす。その後、滋賀県に移り、堅田中・高を経て、平成14年3月京都女子短大卒。現在、会社員。趣味は読書。
「小説は人生そのもの」 
−コスモス文学新人賞を受賞 小出まゆみさん(24)

次回作にも意欲的に取り組む小出さん(大津市の自宅で)
 小説を書いていることは、家族にも、誰にも言わなかった。「照れみたいなものがあって」と、はにかみながら笑顔をのぞかせる。平成16年、日本文学館短編小説大賞で8月の月間優秀作品、続いてその年の年間大賞の受賞を機に、母親に報告した。「やっと賞らしい賞をもらいましたから」。

 このころ「とにかく自分がどんなレベルにあるのか客観的に見られないので、書いて書いて公募している全国あちこちに作品を送りました」と苦笑する。受賞歴には花登筐文芸奨励賞(中高生の部)や日本文学館超短編小説大賞佳作、愛知出版短・中編文学大賞優秀賞、コスモス文学新人賞長・中編小説部門奨励賞などが並び、非凡な才能を感じさせる。

 最新の受賞作は平成18年第100回コスモス文学新人賞中編小説部門で新人賞を得た「歪」。記憶喪失の女の人がアパートの自室から一歩も出ず、隣の部屋をのぞいている…。「私の作品はどれも雰囲気が明るくなく、もとが暗い。でも『歪』は導入部がさわやかに描けたような気がします」と話す。

 友人らに感想を求めると、悪い点では「くどい」とよくいわれるが「それでも私は人物や風景の表現描写にはこだわっていきたい」という。ちなみに好きな作家にホラー小説の岩井志麻子さんを挙げた。

 文章を書くようになったのは高校2年のとき。友人同士間で小説を書くのがはやって「私もやってみようかな」と始めたのがきっかけという。あくまで自己満足、趣味の一つだったが、このときの作品「魔女」が花登筐文芸奨励賞を獲得、以後、書く楽しさを味わっていく。

 執筆活動は高校、短大時代は長期の夏休みなどを利用、会社勤めの現在は休日などに1日50枚ほどを書き上げる。調子が悪ければ全く筆が進まないことも。小説を書くことは? 「私には人生そのもの、それなくしては面白味がない。将来の夢はやっぱり作家になることです」ときっぱり。現在、日本文学館のノベル倶楽部に所属。今年は小説を自費出版する予定で、構想を練る。

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